近年、ふれることの少ない古典芸能。その中でもとりわけ希少な地唄舞の世界に誘います。うすれゆく日本の心と美しさをもつ舞を、一心にその道をゆく俵菜緒氏を迎え、ここ軽井沢で上演します。
今回は「雪」と「八島」、静と動、艶と修羅。趣の違う二つの舞をご堪能ください。
また、幕間には古典芸能解説者として活躍する、葛西聖司氏による楽しいお話と、演奏には、連綿と受け継がれてきた富田清邦氏による地唄の弾き語りも同時にお楽しみ頂けます。
軽井沢にて初のこの機会に、ぜひご覧ください。
出演 | 俵菜緒(地唄舞) 葛西聖司(お話) 富田清邦・菊森美穂(唄・三弦) |
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曲目 | 【雪】 恋に破れ出家した大阪南地の芸妓そせきの身の上を慰めるために峰崎勾当が作ったと言われています。男に捨てられた女が俗世への想いを断ち切って仏道に帰依しながらも、雪のしんしんと降る夜に、独りあきらめきれぬ人を偲び涙する、哀しい女の切なさを唄った地唄の代表的な名曲です。 【八島】 平家物語に取材した能の「八島」から移された一曲で、西国行脚の僧が四国の八島(屋島)で漁翁の姿で現れた義経の霊に出会います。そこで八島の軍物語を聞きますが、夜の明けるとともに、その霊は消え失せてしまいます。 前半は能の前シテの趣で、後半はそのまま軍物語として、地唄舞の中ではとりわけ激しい舞となっています。最後は義経の霊が消えた後、僧の夢がさめて松風ばかりが残るのでした。 |
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